一般的歯科治療

GENERAL

虫歯治療

虫歯治療

虫歯は口内の細菌が糖分をエサに生み出した酸で、歯が溶かされる病気です。
エナメル質(歯の表面)が白くなる程度であれば、歯磨きなどで回復することもありますが、象牙質(エナメル質の下の組織)まで進行して黒く見える虫歯は、自然に治ることはありません。
歯がズキズキと痛むのであれば、虫歯が歯髄(神経や血管の束)まで達していると考えられるので、できる限り早く治療を受ける必要があります。
痛みなどの自覚症状がなくても、半年に1度は歯科医院で定期検診を受けましょう。自分では気づかないような小さな虫歯の早期発見・早期治療につながり、体に大きな負担をかけることなく回復させられます。

虫歯の原因

虫歯はミュータンス菌が生み出す酸が歯を溶かす病気です。どのような状況で虫歯になってしまうのか、確認してみましょう。

虫歯の原因
  • 歯磨きがうまくできておらず、歯垢が残っている
  • 噛み合わせが悪く、食べカスが口内に残りやすい
  • 甘い食べ物や飲み物が好きで、よく口にする
  • 歯質が弱く、酸で溶かされやすい
  • 唾液の量が少なく、酸の中和や歯の再石灰化ができない
  • 詰め物や被せ物が劣化して、隙間に汚れが溜まっている

虫歯の進行

  1. CO

    CO

    歯のエナメル質表面が、溶け始めた状態です。白く濁ったり、溝が茶色に変色することもあります。
    この段階ではまだ削る必要はなく、再石灰化による自然治癒が可能です。溶け出した歯の成分が元に戻るよう、歯磨きで口内の糖分や歯垢を除去し、唾液の分泌を意識しましょう。
    歯科医院では再石灰化の効果がある、フッ素塗布も行なっています。

  2. C1

    C1

    エナメル質に穴が開いて、細菌が侵入してきた状態です。再石灰化で治癒する段階は過ぎており、感染部分を削って、樹脂などで埋める必要があります。歯のごく表層の虫歯なので、麻酔を使わずに治療できます。
    痛みがほとんど出ないため、この段階で気づかずに虫歯を進行させてしまうことがあります。定期検診を利用し、早めにチェックすると良いでしょう。

  3. C2

    C2

    エナメル質の内側にある、象牙質まで細菌が侵入した状態です。 象牙質は柔らかいので、歯の表面に見える虫歯が小さくても、内部では大きく溶かされていることがあります。
    象牙質は神経に近いため、冷たい物がしみたり痛みを感じたりするようになります。
    治療は虫歯部分を削って歯型を取り、詰め物や被せ物をセットします。

  4. C3

    C3

    歯の神経にまで、細菌が達した状態です。
    歯の内部には、神経と血管で構成される「歯髄」とよばれる組織が詰まっています。歯髄にまで炎症が及ぶと、温かい物がしみたり、何もしていないときでもズキズキと激しい痛みが出たりします。
    虫歯部分を削って除去する治療を行ないますが、状態によっては感染した歯髄を取り除いてよく消毒し、被せ物をします。

  5. C4

    C4

    歯冠部分を虫歯が溶かし尽くし、ほぼ歯根だけが残った状態です。
    歯髄が侵されて神経が壊死しているために、痛みは感じなくなります。
    この段階に至っても放置し続けると、歯根の先まで細菌が侵入し、歯根膜に炎症を起こして、再び痛むようになります。
    被せ物を作製して歯を残せることもありますが、難しい場合には抜歯し、インプラントやブリッジ、入れ歯を検討します。

根尖病巣

歯根内部にまで細菌が侵入し、根の先で膿の袋ができている状態です。
症状はほとんど出ないうちに、膿の袋は大きくなっていきます。膿の量が増えて歯肉が腫れたり、歯根膜にまで炎症が広がると、激しい痛みを感じるようになります。
根尖病巣を放置すると、歯が抜け落ちてしまうばかりか、顎骨や副鼻腔などの口腔周辺にまで炎症が拡大してしまうおそれがあります。
歯根内部の神経や血管が通っている「根管」の汚染組織を除去し、消毒薬を入れて治療します。

痛みの少ない治療

当院では「痛くて怖い」という歯科治療のネガティブなイメージを変える、痛みの少ない治療を行なっています。

表面麻酔

抜歯や進行した虫歯を治療する際には、局所麻酔をします。この麻酔の注射針が刺さるときのチクッとした痛みを軽減するために、先に表面麻酔を行ないます。
麻酔をかける部位の粘膜を乾燥させ、表面麻酔を塗り浸透させます。2分ほど経つと感覚が麻痺してくるので、痛みなく局所麻酔の注射をすることができます。

根管治療

根管治療

根管とは、歯根の内部で神経や血液が通る管のことです。
虫歯を放置して歯の奥深いところにまで進行させてしまうと、根管も感染が広がり炎症を引き起こします。
細菌に汚染された組織は取り除き、根管内部をよく清掃する必要があります。
この根管治療には、ファイルという針金状のやすりを使います。細い根管内にファイルを差し込み、汚染組織を削って掻き出します。少しでも残っていると、再発を繰り返してしてしまいます。根管の形状は曲がっていたり、枝分かれしていたりとさまざまなので、よく確認しながら徹底的に除去します。
根管が清掃できたらよく消毒して、薬剤を入れて仮のふたをします。
感染が治まったことが確認できたら、充填剤を隙間なく注入して、被せ物を作製します。